• 2026-02-12
経費精算や出張管理、請求書処理をクラウドで一元化する「SAP Concur®」を提供する株式会社コンカー。同社は、バックオフィス業務の透明性と効率性を劇的に高めるソリューションを展開し、国内のDX推進を牽引しています。
写真中央:株式会社コンカー マーケティング本部 セールスディベロップメント部第二グループ シニアマネージャー 山崎康行様
写真右:同社マーケティング本部 セールスディベロップメント部第一グループ ラージマーケット担当 大野諒様
(※いずれも所属部署・役職は2025年12月の取材当時のもの)
写真左:株式会社Mer 執行役員 服部 真
同社では2010年からABM(アカウント・ベースド・マーケティング)を本格化させており、CRM上には膨大なターゲットリストが蓄積されていました。しかし、大手企業に対するアウトバウンドにおいては、ある大きな壁が立ちはだかっていました。それは、「ターゲットは明確なのにキーパーソンにたどり着けない」という物理的な接点づくりの課題です。
戦略の「最後の一歩」が踏み出せない。この“ラストワンマイル”の課題を解決し、アポイント取得率を2倍にまで引き上げたのが、AIリードデータベース「LeadPool」でした。
今回は、お手紙と部署直通番号を掛け合わせた独自の戦略や部門を超えた連携を強みとする同社のIS(インサイドセールス)組織がいかにして「最後の一手」を勝ち取ったのか。その舞台裏を、マーケティング本部セールスディベロップメント部の山崎康行様、大野諒様に伺いました。
株式会社コンカー公式サイト
https://www.concur.co.jp/
山崎 康行様(以下、山崎様)
弊社は、出張・経費管理クラウド「SAP Concur」を提供しています。主力プロダクトは経費精算ツールの「Concur® Expense」、請求書管理ツールの「Concur® Invoice」、そして出張管理ツール「Concur® Travel」の3つです。世界シェアでもトップクラスの支持をいただいており、日本国内においても、あらゆる業種・規模の企業様のバックオフィス改革を支援しています。
組織としては、案件創出を担うSDR(インサイドセールス)が2つのグループに分かれて活動しており、私が統括する第二グループは、中堅・中小企業や公共機関、さらにはすでにご契約いただいているお客様へ「SAP Concur」の活用範囲を広げていただくための提案活動を担っています。
単に製品をご案内するのではなく、お客様がまだ気づいていない業界課題やさらなる利活用促進を提示し、新しい価値に気づいていただく。そうした働きかけを通じて、お客様の業務変革を支援することが、私たちのグループの重要な役割です。また、組織全体のマネジメントにおいては、メンバーが単なる「アポイント獲得」をゴールにするのではなく、お客様の成功に向けて誇りを持って動ける環境づくりを重視しています。
大野 諒様(以下、大野様) 私は第一グループに所属し、主に大手・中堅企業向けの新規開拓を担当しています。また、マーケティング本部の所属としてイベント企画などにも携わっており、現場での架電業務と施策の企画、両面からアプローチを行っています。
現場で活動するなかで日々感じているのは、「届ける相手」をいかに細かく特定できるかが、その後の反応を大きく左右するということです。弊社の製品はあらゆる業界で活用いただけるホリゾンタルSaaSであり、検討に関わる部署も経理・財務、人事、総務、調達と多岐にわたります。そのため、私自身の業務においても、まずは「どの部署の誰に、どう情報を届けるか」を正しく見極めることが、活動の精度を高めるうえで欠かせない要素になっています。
山崎様
弊社では、2010年頃から大手企業を中心にABM(アカウント・ベースド・マーケティング)を推進してきました。分析ツールを活用してターゲットを精緻に絞り込んできたことで、CRM上には「どの企業の、どの部署にアプローチすべきか」といった情報が詳細に蓄積されています。
ただ、そうした戦略的なリストはあっても、いざキーパーソンとの「実際の接点」を作るという実行フェーズにおいては、課題が残っていました。
具体的に、どのような点がボトルネックだったのでしょうか。
大野様 最大のボトルネックは、代表電話に架電してもキーパーソンに繋いでいただけず、受付で止まってしまうケースが多かったことです。突破口を見つけるために、時間帯を変えて何度もかけ直すなどアナログなやり方に頼らざるを得ず、多大な営業工数とリードタイムがかかっていたんです。
ターゲットは明確に見えているのに、最後の一歩が踏み出せない。この「ラストワンマイル」の課題は、アウトバウンド施策を前進させるうえで大きな壁になっていました。
山崎様 ABMをさらに一段上のフェーズへ進めるための新しい打ち手を探していた時期に、Merさんからご案内をいただきました。当時は「これからのABMアプローチをどう強化するか」という課題感は持っていたものの、具体的にどのようなソリューションが必要かという詳細までは固まっていたわけではありません。そうした状況のなかでいただいたご提案に、「現状の課題を解決する一手になるかもしれない」と興味を持ち、一度話を聞いてみようと考えたのが始まりでした。
大野様 お話を聞くなかで印象に残ったのが、「部署・支社単位の直通電話番号まで取得できる」という点でした。私たちのようにアウトバウンドでの接点づくりをミッションとする組織にとって、そこはまさに求めていたところだったんです。
導入を決めた決め手は何だったのでしょうか?
山崎様 大きく3つあります。
まずは、やはり機能面です。公開情報から部署単位の直通番号だけでなく、アプローチすべきキーパーソンまで精緻に特定できる点に非常に魅力を感じました。ターゲットとなる企業や部署が見えているなかで、最後に重要となるのは「誰に、どうアプローチするか」という実行フェーズです。LeadPoolであれば、そのラストワンマイルの課題をクリアできると確信しました。
また、有償トライアルを通じた現場のメンバーからの評価が高かったのも大きかったです。実際にIDを配布して使い勝手や活用イメージを確認したところ、現場からは「適切に部署・キーパーソンの方にアプローチできる大きなメリットがある」というポジティブな声が多く上がりました。
最後の決め手は、サポートの柔軟性です。「まずはIS(インサイドセールス)の全メンバーで活用した後、組織全体でも試してみたい」というこちらの要望に対し、Merさんは段階的な検証に向けて柔軟な調整をしてくださいました。
大野様 トライアル期間中、単にツールの操作性を確認するだけでなく、「実際のアウトバウンドにどう活かせそうか」という実践に近い視点で仮説検証できたのは大きかったですね。現場主導で具体的な成功イメージを共有できたことが、迷いのない導入判断につながりました。
山崎様 ターゲットとの接点を生み出す実行フェーズですね。弊社では、テリトリー制を採用しており、年商と従業員数を組み合わせた明確な基準をもとに、注力すべきアカウントをあらかじめ特定しています。そのため、どの企業を優先すべきかはすでにCRM上で整理されていました。
LeadPoolは、そうして定まったターゲットに対して、実際にアプローチをする段階で活用しています。
大野様 私たちがよく実践しているのは、「手書きのお手紙」と「部署直通番号へのフォローのお電話」を組み合わせる方法です。
特に役員クラスの方へ初めてコンタクトを取る場合、いきなりお電話を差し上げても、お忙しいなかでなかなかお繋ぎいたけないのが現実です。そこで、まずは心を込めて書いたお手紙を先にお送りし、弊社の想いや意図を丁寧にお伝えするようにしています。
その数日後、LeadPoolで取得した部署直通番号へお電話を入れるのですが、その際に「先日お手紙をお送りした◯◯です」と切り出すのが大きなポイントです。この一言があるだけで、お相手も「あ、あのお手紙の方か」と安心感を持って話を聞いてくださるようになり、対話の質が変わりました。こうした「確実な接点」を作るためのきっかけとして、直通番号の情報は今や欠かせない味方になっています。
大野様 LeadPoolでは「どの部署の、誰がキーパーソンに該当するのか」を精緻に確認できるため、自分たちがアプローチしに行く際の心理的なハードルが大きく下がったと実感しています。
その結果、接点づくりの質が変わり、アウトバウンド全体のアポイント取得率は、導入前と比較して約2倍に向上しています。
お手紙をしっかり読んでいただけているという手応えも強く、お電話を入れるとすぐポジティブな返信をいただけるなど、反応のよさを肌で感じています。
山崎様 最も大切にしているのは、「弊社のサービスを真に必要としてくださる顧客へ届ける」という目的を、全社で共有する“ワンチーム”の意識です。そのため、営業やIS、マーケティングの施策が分断されないよう、定例や不定期なディスカッションの場を設けて密に連携しています。
弊社の文化を象徴する例として挙げられるのが、ISのKPI設計です。単に「アポイントの数」を追うのではなく、最終的な「契約」を意識した指標を持っています。商談化した後も営業担当者と伴走し、契約に至るまで自分たちができることをやり抜く。この「最後まで関わる意識」が組織に根付いている点は、弊社の大きな強みだと自負しています。部門の垣根を超えて協力し合う土壌があったからこそ、今回のLeadPool導入による新しい施策も、スムーズに浸透しました。
山崎様 そうですね。弊社には年次や役割に関係なく、誰もが対等に意見を出し合える雰囲気もあると感じています。会社のコアバリュー(全社共通の価値観・行動基準)が浸透しているからこそ、若手だから意見を言いづらいということはありませんし「これは改善したほうがいい」と感じるポイントがあれば、気づいた人が主体的に課題を拾い上げ、周囲がその解決のためにサポートする動きが自然に生まれています。
また、ISがきっかけを作った案件が契約につながった際には、その事実を全社で共有し、称賛する機会があります。自分たちの介在価値が会社の成果として可視化されるため、現場もやりがいを持ちやすい環境です。
大野様 個人的にいいなと感じているのは、そうして共有されたほかのメンバーのアポイント事例について気軽に意見交換ができる点です。「どういうきっかけだったのか」「どんな工夫をしたのか」などを立場に関係なく聞ける雰囲気がありますし、それに対してざっくばらんにフィードバックし合える。他者の事例を自分ごとのように学び合える環境は、組織や個人の成長においてとても大切だと思います。
山崎様
Mer様には、他社様がどのようにこのツールを使いこなし、どのような成果につなげているのかといった、具体的なチャレンジ事例の共有をより一層期待しています。貴重なナレッジを交換させていただくことで、自社の営業活動にもさらに磨きをかけていきたいです。
そのうえで、弊社が今後より注力していきたいのが海外出張管理のサービス「Concur® Travel」の拡大です。各種費用が高騰するなかで出張関連の経費の最適化や削減余地の可視化~実行は、今まさに多くの企業様が求めているテーマです。
こうした価値を、LeadPoolの強みである「部署直通番号」を活かして、人事や調達といった適切な部署へダイレクトに届けていきたい。各企業のキーパーソンの方が関心を持ったタイミングで、迷わず一歩踏み込めるようなアウトバウンドの精度をさらに高めていきたいと考えています。
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